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【特別インタビュー】 衆議院議員 武部 あらた先生と考える「 北海道 「防災道の駅」と今後のあり方」

北海道の道の駅における「防災機能」について、衆議院議員 武部 あらた先生との対談の模様を掲載いたしました。

本記事はフリーペーパー道の駅の本誌では掲載されていない、ウェブ限定ページです。

衆議院議員 武部あらた

・ 早稲田大学法学部を卒業、株式会社日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。平成12年同行退社
・ 平成15年 米国シカゴ大学公共政策大学院修士課程修了
・ 平成15年 衆議院議員武部勤秘書
・ 平成24年 衆議院議員初当選
・ 環境大臣政務官 兼 内閣府大臣政務官、衆院議院運営委理事、党副幹事長などを歴任
・ 現在3期、党国会対策副委員長

●「防災道の駅」について

現在、国土交通省では、都道府県の地域防災計画などで広域的な防災拠点に位置づけられている道の駅を「防災道の駅」として認定し、ハード・ソフトの両面から重点的な支援を行う取り組みを進めています。今年6月、この「防災道の駅」に全国39の道の駅が選定されましたが、そのうちの4つが北海道の道の駅となっています。

北海道の防災を考えるうえで非常に重要なのが「暴風雪」への対策です。2013年3月には、湧別町で親子が暴風雪に襲われ、娘さんをかばう形でお父さんがお亡くなりになるという痛ましい事故が起こりました。この一件でホワイトアウトという言葉が大きく注目されるようになりましたが、北海道では突然の猛吹雪により車が立ち往生してしまうことがあります。こうした状況に陥った際、近隣に道の駅があれば、そこに逃げ込んで暖を取り、一夜を明かすことができます。突然襲い掛かる自然災害に対し、緊急避難場所として道の駅が果たす役割はとても大きいと感じています。

●道の駅の現状

以前の道の駅といえば、ドライブ途中の休憩所というイメージが強かったですが、現在では地域の魅力的な特産品を販売するほか、それぞれの施設が工夫を凝らすことで、個性的なご当地グルメを提供したり、魅力的なイベントを開催したりする道の駅が増え、町のランドマーク的な側面を持つようになってきています。

例えば、知床自然遺産の玄関口に位置する道の駅「うとろ・シリエトク」には、すぐ隣に環境省の知床世界自然遺産センターが設けられており、知床の観光案内のみならず、自然の大切さを発信する拠点として活用されています。また、遠軽町では2019年12月、北海道内で初めてとなるスキー場併設の新しい道の駅「遠軽 森のオホーツク」がオープンしました。スキーシーズンにはロッジとして食事や買い物ができ、夏の時期にはグラススキーなどの体験観光ができるという多機能型の道の駅となっています。そのほかにも、赤ちゃん用のオムツを販売し、ジャングルジムなどの遊具を備えることで、子育て世代が気軽に利用できるように配慮した道の駅なども出てきています。

●今後の課題・あり方

今後の道の駅の課題は、海外から訪れる観光客への対応です。現在は新型コロナウイルスの感染拡大の影響でインバウンド需要が激減しているものの、コロナが終息した後は、再び多くの外国人観光客が訪れるはずです。こうした方々がレンタカーで道内を周遊される際の利便性を考え、多言語表示やキャッシュレス決済への対応、Wi-Fi環境の整備などを進めることが重要だと考えています。

政治は高速道路や港湾などのインフラの整備に力を注いでいるイメージがあると思います。それらももちろん重要ですが、より生活に密着した課題解決も住民にとって大事でしょう。過疎化が進む地域の交流人口を増やすことでふるさとに活気を取り戻すこともそう。また、遠方へと足を運ぶのが難しい高齢者や、小さなお子さんを持つ子育て世代の皆さんが、気軽に集まれる場所づくりも大切だと考えています。道の駅は、地域の物産に触れ、そこに込められた地域の思いを感じていただける場所です。旅行者の皆さんとの結びつきを作ることで、「次はこの道の駅に行ってみよう」「あそこに旅行してみたい」と思っていただけるような場所にしていければと思っています。