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【特集】道の駅とは?「しごと」を伝える・魅せる「道の駅」/新しい伝統を作り出す取り組み

平仮名で「しごと」と書いた方がしっくりくるような、 人の温かさを感じる、工芸品や民芸品の技と品。

本記事では、それをより多くの人へ、そして次の世代へ伝えるために 様々な取り組みを行う道の駅をご紹介します。

新しい感性を取り入れて 新しい伝統を作り出す

道の駅 木曽ならかわ 【長野県】の「木曽漆器」

道の駅を拠点とする一般財団法人 塩尻・木曽地域地場産業振興センター「木曽くらしの工芸館」と、昭和女子大学の学生たち、そして木曽漆器の職人たちがコラボしたブランド「cocoro concept」。

アクセサリーや器など、漆器の技術で女性の感性や「愛らしさ」を表現した新感覚の商品に、各方面から注目が集まっています。

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道の駅 木曽ならかわ  詳細情報はこちら:https://www.kiso.or.jp/

cocoro concept  詳細情報はこちら:http://www.cocoroconcept.jp/

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道の駅 たいら 【富山県】の「五箇山和紙」

かつて加賀百万石を支えた「五箇山和紙」も、伝統を受け継ぐ道の駅たいらでは、伝統を守りつつ若い感性によって、新しい価値が加わりました。

例えば、かわいい市松文様がポップなブランド「ちんちろ」、明るい蛍光色と使いやすい商品を揃えたブランド「FIVE」。海外のショップでも取り扱われるなど、世界からも注目されています。

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道の駅 たいら  詳細情報はこちら:https://gokayama-washinosato.com/road_sta/

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触れて、使って 良さを実感してもらう

道の駅 びんご府中 【広島県】の「府中家具」

道の駅びんご府中のレストランに数種類あるテーブルや椅子は、地元の4つのメーカーがそれぞれに作ったこだわりの逸品。

高級家具で有名な「府中家具」の町らしく、駅ではその300年続く伝統技術を実際に使って体感することができます。

使ってみて気に入ったメーカーがあれば、販売店などを紹介してもらうことも。道の駅が府中家具への「入口」となっています。

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道の駅びんご府中  詳細情報はこちら:https://eki.bingofuchu.jp/

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道の駅 ましこ 【栃木県】の「益子焼」

道の駅ましこの壁にずらっと並ぶ、200個近くのカップ。

これは「益子焼」の作家それぞれの作品を並べた通称「ましこの作家棚」。ここから自分好みの作家を見つけるのはなかなか楽しい作業です。

そして駅内のレストランでは、益子焼の器で食事ができます。その魅力は、実際に食べ物を載せて、使ってこそわかります。

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道の駅ましこ  詳細情報はこちら:http://m-mashiko.com/

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体験することで手しごとを知る

道の駅たくみの里【群馬県】の「手作り体験プログラム」

道の駅たくみの里では、草木染から竹細工、陶芸、キャンドル作り、伝統工芸の木工、おめん作り、さらにそば打ち、豆腐づくりまで、平日でも10種類以上、土日には20種類を超える手作り体験プログラムを開催しています。

手しごとの難しさ、それを超える楽しさを実感すること間違いなし。

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道の駅たくみの里 詳細情報はこちら:http://takuminosato.jp/

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道の駅 土佐和紙工芸村【高知県】の「土佐和紙」

道の駅 土佐和紙工芸村では全国的に名高い「土佐和紙」の制作を本格的に体験できます。

1人からでも丁寧に教えてくれるので安心。地元の学校などでは、自分の卒業証書を自分でつくるところもあるとか。

他に、はた織り体験、アクティブなカヌー体験も。 宿泊施設も備えているので、予約を入れておけば、落ち着いて和紙づくりに取り組めます。

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道の駅 土佐和紙工芸村 詳細情報はこちら:http://www.qraud-kochi.jp/

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本物をもっと身近に

道の駅 みき 【兵庫県】の「三木金物」

道の駅みきでは、誰でも立ち寄れる場所にあるとは思えない金物製品の品が揃う。

三木市内約100社からの約20,000アイテムの中には、プロ御用達の道具や、伝統工芸士によって作られた逸品など、一般には出回らないようなものも多数。

もちろん、誰でも自由に見学できますし、購入だってできます。

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道の駅 みき 詳細情報はこちら:https://mikiyama.co.jp/

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未来に技術を伝えていく

道の駅 からむし織の里しょうわ 【福島県】の「からむし織」

「からむし織」とは、からむし、または苧麻(ちょま)とも呼ばれる植物の繊維から作る織物のこと。

「道の駅からむし織の里しょうわ」のある福島県昭和村では、からむし織の体験生「織姫・彦星」を毎年募集し、からむしの栽培から布を織るまでの約11ヶ月間、村に住みながら体験してもらいます。

その活動をバックアップするのも道の駅の役割。なんと、道の駅ので駅長を勤める舟木さんも、実は体験生を経て村に移住した一人です。

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道の駅からむし織の里しょうわ 詳細情報はこちら:https://www.karamushi.co.jp/michinoeki.html

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道の駅 関川(桂の関)【新潟県】の「猫ちぐら」

「猫ちぐら」とは、藁を編んで作った猫用の寝床。近年、テレビなどでも話題に。

「関川村猫ちぐらの会」会員にしか伝えられない「村外不出」の関川村の猫ちぐらの製法ですが、現在は「道の駅関川」を拠点に会員を募り、猫ちぐらだけではなく、その製法を生かしたご飯のおひつを入れる「おひつ入れ」の製法も、地元の若い世代に伝えています。 道の駅で製作風景も見学できます。

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道の駅 関川(桂の関) 詳細情報はこちら:https://niigata-kankou.or.jp/spot/7006

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まとめ

皆様いかがでしたか?

伝統工芸品や民芸品にとっての「道の駅」が果たす役割においては、「道の駅」自体の機能や人気を上手く活用することが重要ですね。

地域の外と中をつなぐ「道の駅」には、普段工芸などには積極的に触れないような人も訪れるので、新たな客層や、興味を持った人の中から次代の担い手を発掘できる可能性もあります。

また、近年は「道の駅」人気のために都市部でも「道の駅」が参加するイベントなどが増えています。グルメやお土産が人気の中心ですが、それらを目当てに訪れた多くの人たちに、その場で工芸品を見て触れてもらい、直の反応を集めて、今後の商品開発に活かすこともできます。

さらに「道の駅」には、地域の玄関口や広報担当として、また今後は地域を活性化するための「頭脳(ブレーン)」としての役割が求められるようになると考えられます。

本記事の例のように、地域と「道の駅」、そして伝統工芸品・民芸品の関係者ががっちり手を組んで取り組めば、工芸の分野でも各地で新しい価値が生まれてくることが期待できそうです。