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特集

道の駅を「デザイン」する

「デザイン」と道の駅 毎年新たな道の駅が生まれる中、変わりつつある「道の駅」のイメージ。道の駅と言えば、以前まで「直売所」のイメージが強かったと思いますが、みなさんも道の駅に立ち寄った時に、まるで百貨店やセレクトショップのようで驚くことはあ……続きを読む

「デザイン」と道の駅

毎年新たな道の駅が生まれる中、変わりつつある「道の駅」のイメージ。道の駅と言えば、以前まで「直売所」のイメージが強かったと思いますが、みなさんも道の駅に立ち寄った時に、まるで百貨店やセレクトショップのようで驚くことはありませんか。
イメージの変化に大きく関わっていると考えられるのが「デザイン」です。「デザイン」とは、一般的に「特定の目的をもって図案、模様、造形を考えること」だとされています。
道の駅にも数多くのデザインが関わっています。建物に始まり、ロゴ、看板、ポスター、パンフレット、ホームページなど、皆さんが道の駅で目に触れるものは、全てデザインされていると言っても間違いはありません。
デザインは前述のように「特定の目的をもって」いるものです。一口に「デザインする」と言っても、誰に向けて、どのようなイメージを持ってもらいたいのか、といった目的をどこまで落とし込むかで、デザインの結果は大きく変わってきます。

何のための「デザイン」?

建物、ロゴ、ホームページなど、それらをそれぞれ単独で、別々の考え方のもとにデザインするのではなく、軸になる一つの考え方のもとにデザインをすることで、イメージを統一したものにすることができます。
その軸になる考え方が「コンセプト」です。道の駅自体のコンセプト、デザインのコンセプトなどがあります。道の駅自体のコンセプトは「自分たちは何を目的にした道の駅か」ということ、「どんな人をターゲットにするか」などを中心に考えられます。
そして、道の駅自体のコンセプトをデザインで表現するために考えられるのが、デザインのコンセプトです。これをもとに、基本となるロゴやテーマカラー、書体、場合によっては印刷物に使用する紙など、デザインの要素も決めていきます。デザインの要素を統一することが一つの個性となり、他との差別化を図ることができます。

「デザイン」による道の駅の取り組み

最近では道の駅でも、このようなコンセプトからデザインを考えているところが多くなっています。そのため、デザインが効果的に機能して、訪れた人、デザインを目にした人が受ける、道の駅の印象が変わってきているのだと考えられます。
今回は、道の駅に関わるデザイン、特にわかりやすい「パッケージデザイン」を中心にご紹介しようと思います。
これを見るだけでも、道の駅に対するイメージが、また少し変わるかもしれません。

イメージをデザインする

2017年3月、道の駅内にオープンした、直売所や物産・飲食施設が集まった「ファーム・サーカス」。「地産地消をあそぼう!」をコンセプトとし、農業をテーマにしている施設。神戸市や大阪市などといった都市圏の客層をターゲットにしているため、建物からパッケージに至るまで、デザインも一貫して洗練されたイメージを持たせている。

パンフレットは三つ折り。道の駅というより、まるで百貨店や大型商業施設のような質の高いデザイン。

道の駅 神戸フルーツ・フラワーパーク 大沢 (兵庫県)

☎078-954-1940

http://fruit-flowerpark.jp/farm-circus/

 

 

 

まず基本となる道の駅のロゴを作成。ロゴには、千里浜の海と広大な田園に囲まれた美しい羽咋市のイメージを表現している。そのロゴから、道の駅に関わる様々なビジュアルを派生させているため、パッケージなどを見ただけで「道の駅 のと千里浜」のものだとわかる。商品自体が道の駅の広告塔の役割も果たしており、ビジュアルでブランディングを行なっている好例。

道の駅 のと千里浜(石川県)

☎0767-22-3891

https://noto-chirihama.com

 同じテーマでも  地域の個性で異なるデザインに

ここで取り上げる2つの道の駅がある場所は、どちらも「お茶」が名産だということ、そしてどちらも「村」だという共通点があります。
しかし、それぞれに地域の歴史、人々の暮らし方など、地域の個性を基本としてデザインを考えているため、全く異なったデザインとなっています。
同じテーマを持っていても、その背景は地域によって様々。その違いをデザインによって表現することで、商品自体の差別化を図ることができます。

道の駅が企画したお茶関連の商品につけられるロゴ。

宇治茶の主産地として知られる南山城村。お茶を使って道の駅が企画した商品には同じロゴを使用し、それがシリーズとして認知されている。ロゴは、実際に村のお茶農家が使っていた手描き文字がモチーフ。お茶づくりを生業としてきた村の人の暮らしから生まれた、温かみの感じられるロゴだ。

 

 

 

 

 

道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村(京都府)

☎0743-93-1392

https://michinoeki.kyoto.jp

 

全国でも珍しい、お寺のない、東白川村。神道の村の神聖なイメージや、神社境内の静けさを表すようなパッケージ。

神道をイメージしたパッケージの上質感もあって、100g 1,000円以上の高価格帯のお茶もこの3年で売上が2.5倍に伸びている。また近年発売された、若い層もターゲットにしたティーバッグのお茶のパッケージには、親しみやすい東白川村の風景のイラストを用いた。こちらも年間5,000パックを売り上げる人気商品に。

道の駅 茶の里東白川(岐阜県)

☎0574-78-3123

http://chanosato.gifu.jp

 

道の駅 クラフトビール ラベルコレクション

道の駅で人気のクラフトビール。道の駅や地元の醸造所で作られるビールは、ラベルのデザインにも個性が表れます。

 

道の駅 きょなん 「鋸南麦酒(アメリカンペールエール)」(千葉県)

鋸南町のシンボル「鋸山」から海を眺めるのは地元に伝説の残る巨人「ダイダラボッチ」。メガネは、工場長の岡村さんがモデルだそう。

☎︎0470-29-5454(鋸南麦酒)
https://ja-jp.facebook.com/kyonanbeer/

 

道の駅 さかい 「さかい河岸ブルワリー (さしま茶エール)」(茨城県)

ロゴは、水運で発展した境町を象徴する川船の碇、網、そしてSakai Beerの頭文字から。その周りに各素材をイメージした模様を敷いている。

☎︎0280-87-5011
http://sakaimachi.co.jp/michinoekisakai

 

道の駅 川場田園プラザ 「川場ビール(ヴァイツェン)」(群馬県)

昨年新デザインになったラベルには、醸造水の水源「武尊(ほたか)」の山々。シンプルでスタイリッシュなデザインで、ギフトにも重宝。

☎︎0278-52-3711
https://www.denenplaza.co.jp

 

道の駅 丹後王国 「食のみやこ」「京都丹後クラフトビール(アンバーエール)」(京都府)

丹後地域の伝説である「丹後七姫」にちなんだ、7種類プラス1種類の個性的なクラフトビール。それぞれの姫が描かれたラベルは、女性にも好評。

☎︎0772-65-4193
https://tango-kingdom.com

SNSに映えるビジュアルをつくる

 

昨年道の駅内にオープンした「伊豆いちごファクトリー」。 若い世代のターゲットに合わせて、パッケージと同様に、商品自体の見た目もデザインされている。 商品やメニューが可愛いと、SNS上での反響も大きく、話題となっている。

 

 

 

 

道の駅 伊豆のへそ (静岡県)

☎0558-99-9300

http://www.izunoheso.com

 

デザインが地域に生み出したもの

道の駅のオリジナルブランド「もてぎ手づくり工房」のギフト。地元の手土産として人気が出て、町内外に広く知られるようになった。

町の名産のゆずをはじめ、町の特産品を使ったオリジナル加工品は、女性目線の一貫したデザインに。デザインの質が上がることで、町民からの印象も大きく変わった。

道の駅 もてぎ (栃木県)

☎0285-63-5671

http://www.motegiplaza.com/tedukuri.html

 

 

町村合併によって失われつつあった「小田」の地名を冠したブランド「オダメイド」。地元の生産者と話し合いながら、丁寧に「オーダーメイド」のように作っていく、という意味も込められている。

「オダメイド」も、小田の「山」「川」「人」の繋がりを表現したという道の駅のロゴと、共通する考え方でデザインされている。

地元の小田小の総合学習で、「オダメイド」の商品開発体験も。地元で広く認知され、郷土教育にも一役買っている。

道の駅 小田の郷せせらぎ(愛媛県)

☎0892-52-3023

http://www.odamachi.com/odamade.html

このように、道の駅でもデザインを活用した取り組みは年々増えてきています。
デザインによって何が変わるのか。商品なら売上が上がる、知名度が上がる、または商品や地域の付加価値が上がるなどといったことが考えられますが、実は変わるのはそれだけではありません。  例えば、栃木県の道の駅「もてぎ」の例。オリジナル商品を統一したデザインにし、商品を展開したところ、地元の人が外に手土産として持っていく商品として使うようになりました。
「自分たちの町でできた作物が、こんなにいい商品になった」と、喜んで外にアピールしてくれるようになったそうです。
また、愛媛県の道の駅「小田の郷せせらぎ」の「オダメイド」の場合も、誕生から3年ほどの間で地元のブランドとして定着してきています。「地元の農産物はもっと評価されていいと思っています。そこで、その価値を広く認めてもらえるような商品を開発し、デザインでもしっかり差別化する必要があると考えました。小田の風景、人の温かさを表現するデザインにもこだわって作った結果、様々なメディアが取り上げてくれて、地元や県内での知名度が上がりました。」と、道の駅のマネージャーの納堂さん。その後は、地元の生産者や事業者からの「オダメイド」へ積極的な提案なども増え、地元の産業が活気づくきっかけにもなっているようです。このようにデザインが商品自体を変えるだけではなく、地元の人々の考え方や行動が変わるきっかけにもなります。地域の課題を考える際に、デザインという方法は今後も有効なのではないでしょうか。

 

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