三条大橋
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特集

道の駅のこれから

「道の駅」から広がる未来

道の駅では、将来のために「環境問題」や「地域振興」など、多岐にわたる課題解決の拠点として、様々な取り組みが行われています。
今回は、環境省が展開する「COOL CHOICE」を中心に、その幅広い取り組みをご紹介し、道の駅に今後期待される役割などを考えます。

変化する道の駅の役割

道の駅は、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の方々のための「情報発信機能」、そして道の駅をきっかけに町と町とが手を結び活力ある地域づくりを共に行うための「地域の連携機能」、の3つの機能を果たすために、誕生しました。それから20年以上経った今、道の駅は地域の重要なインフラとして十分に認知されるようになりました。
それに伴い、道の駅には更なる役割が期待されるようになりました。観光客だけではなく、地元の人々も多く行き交う道の駅は、情報発信の場としても適しています。その性質のため、「地球温暖化」などの世界的な問題を身近な問題として発信したり、地域に残された課題を考えたりする場所として活用されるようになってきています。

地球温暖化

 

世界の平均気温は、1880年から2012年の間に0・85℃上昇しています。しかも、2015年には平均気温が観測史上最高を記録しました。今後もさらに世界の平均気温は上昇していくとみられています。
これが現在、世界的に問題となっている「地球温暖化」です。温暖化が進むと地球規模で気候が変化し、海面上昇や異常気象、農産物の収穫量・産地の変化、伝染病の拡大など、自然環境や人々の生活に大きな影響が出ることが予測されています。そして既に、その影響は観測され始めています。
地球温暖化の主な原因は、二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの影響だといわれています。
18世紀後半に起こった産業革命は、工業が手工業生産から大規模な工場生産に変化しただけではなく、石油や石炭といった化石燃料を使用することで人類が大きなエネルギーを手にするという、エネルギーの革命でもありました。産業革命以来、成長を続けてきた経済とともに、化石燃料を燃やすことで発生する二酸化炭素も増加。現在の大気中の二酸化炭素濃度は、産業革命前に比べて40%も増加しています。現在でも二酸化炭素の濃度は上がり続けています。

駐車場の屋根がメガソーラー発電所!

Check it !

栃木県にある道の駅どまんなかたぬまの350台分の駐車場の屋根は、出力1.1MWのソーラーパネルを備えている。雨風や直射日光からお客様の車を守れる上に、クリーンなエネルギーも生み出す、一石二鳥の駐車施設。これで一年間に一般家庭約330世帯分の電力をまかなえるという。災害時などには蓄電池に充電できるようにもなっている。

「COOL CHOICE(賢い選択)」

このような状況を受けて、日本政府は2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度比で26%削減することを目標に掲げました。
この目標達成のために環境省では、家庭や事業所などで温室効果ガス、中でも二酸化炭素(以下 CO²)の削減が見込める低炭素型の製品、サービス、行動などを選ぶ、という「賢い選択」を促す「COOL CHOICE」を推進しています。

 

具体的なアクション

01.低炭素製品への買替え

生活に密着している製品を省エネ性能の高い製品に買い替えることでCO²の排出量を抑えます。「低炭素型の製品」とは、エコカー、省エネ住宅、省エネ家電などを指します。
道の駅では、照明を消費電力の少ないLEDに変えたり、冷暖房などをエネルギー効率のいいシステムを使用したり、といった取り組みが行われています。
また、道の駅で省エネ製品を使用するというだけではなく、製品を使いやすい環境を作り、お客様に製品をアピールするといった活動も行われています。代表的なのが電気自動車(EV)です。今、続々と設置されているEVの充電施設。充電の環境が整うことで、ガソリン車からの買替えがしやすくなります。

LED照明

新しく建設された道の駅の照明は、ほとんどがLEDを使用。

国見あつかしの郷(福島県)

地中熱を利用した冷暖房を使用

道の駅富士川では、地中熱を利用したシステムで冷暖房を行っている。

富士川(山梨県)

EV充電器スポット

EV充電器は、全道の駅を対象に設置が進められている。今や道の駅は重要なEV充電器スポット。

樋脇(鹿児島県)

COOL CHOICE イベント

COOL CHOICEの考え方や、電気自動車を体験してもらうなど、COOL CHOICEのイベントも全国各地の道の駅で開催。

いっぷく処横川(静岡県)

02.低炭素サービスの選択

公共交通機関の利用、自動車を共同利用する「カーシェアリング」、再生可能エネルギーでつくられた電気などを選ぶことで、CO²の排出量を削減できます。
自家用車で訪れることも多い道の駅ですが、路線バスや高速バスの停留所になっている道の駅も多く、自家用車を使わなくとも行き来できることも増えました。他にキャンピングカーのカーシェアリングの実証実験が行われるなど、自家用車の利用を減らすことでCO²排出を抑えるという動きは加速しそうです。
また、意外に意識されませんが、宅配便の再配達も余分なCO²を排出することにつながります。それを防ぐために道の駅に宅配ロッカーを設置するという実験も始まっています。

キャンピングカーのカーシェアリング

道の駅とみうら枇杷倶楽部でキャンピングカーを借りて出かけるというカーシェアリングの実証実験を昨年実施。

とみうら枇杷倶楽部(千葉県)

宅配ロッカー

都心部で増えている宅配ロッカー。道の駅があるような地方部でも有効か、社会実験が行われている。

庄和(埼玉県)

高速バスの停留所として

地方などでは特に公共交通の利便性の向上が、自家用車の利用を抑えるためには必要。道の駅は公共交通の拠点としても重要な意味を持っている。

日和佐(徳島県)

03.低炭素なライフスタイルへの転換

エネルギー消費の少ないライフスタイルへ変えていき、CO²の排出を抑えます。冷房や暖房を弱めにしても過ごせる服装をする「クールビズ」や「ウォームビズ」もこの考え方に基づいています。
そして、そこから一歩踏み込んだのが「クールシェア」と「ウォームシェア」。公共施設やお店などで過ごすことで、日中の各家庭のエアコン使用を控え、消費電力を抑えようという考え方です。道の駅も日中に過ごすスポットとしてぴったり。
「地産地消」は、道の駅の取り組みとしても中心的なものですが、輸送や保管にかかるエネルギーを抑えることができるので、温暖化対策としても有効です。
また、CO²を吸収してくれる森林や海などの自然を残し、守っていくことも、地球温暖化対策の重要な手段です。

夏に冷たいイベントでクールシェア

道の駅いいでで毎年開催される「真夏の雪まつり」。

いいで(山形県)

レンタサイクルターミナル

広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」付近では、道の駅などのターミナル間での自転車のレンタル・乗り捨てが可能。観光にも便利。

今治市多々羅しまなみ公園(愛媛県)

自然保護

道の駅スワン44ねむろから観察できるラムサール条約登録湿地「風蓮湖」。貴重な自然環境を見て、大切さを学ぶ。

スワン44ねむろ(北海道)

地産地消 地元客で賑わう道の駅

道の駅は地産地消の代表的なスポット。

アルプス安曇野ほりがねの里(長野県)

「地産地消」は地球温暖化対策!

地元のものを地元で消費すれば、輸送や保管に無駄なエネルギーがかからない。道の駅には地元産食材が並ぶ。

織姫の里なかのと(石川県)

Check it !「カーボン・オフセット」で、実質排出量ゼロを目指す

鳥取県の道の駅にちなん日野川の郷は「全国初カーボン・オフセットの道の駅」。カーボン・オフセットとは、排出した二酸化炭素(CO₂)を他の場所での削減で相殺する仕組み。道の駅で扱うすべての商品は、1点につき1円が、地元の森林を支援する原資に充てられます。

 

地域の課題解決

地域の未来を照らすために道の駅を舞台に展開する、様々な取り組み

地方の自治体には、また別の課題が残されています。
少子化の影響で現在の日本の総人口は、ピークを迎えた2008年に比べて約110万人も減少。加えて地方から都市圏への人口流出は続いているため、2040年には全国の自治体の約半数の存続が困難になるとも推定されています。
地方自治体の人口減少をカバーするために、道の駅を中心として地域内の各地からアクセスしやすくコンパクトな行政サービスの拠点を作ったり、道の駅を子育て支援や福祉の場にしたり、道の駅に人々の移住・定住の窓口を置いたりすることで、都市圏からの移住・定住をしやすくする取り組みも行われています。
しかし、日本の総人口も減少していくことを考えると、移住や定住の推進だけでは限界があります。そこで重要になってくるのが都市圏と地方間、または地方間での人の行き来です。
人の流れが活発になれば、経済の流れも活発になります。その流れを生み出すために、地域振興施設としての道の駅の役割も、今後さらに重要となるでしょう。

その他にも道の駅では、様々な実験的な取り組みも行われています。
もし道の駅に立ち寄った時に何か見つけたら、積極的に体験したり、見学したりしてみましょう。それが近い将来、地方を、日本を、そして世界を救う取り組みになるかもしれません。

地域の足としての自動運転車両

国交省では、中山間地域において地域の拠点となる「道の駅」を活用した自動運転の実証実験を行っている。高齢化や人口減少の進む地方での交通手段を確保する狙い。

道の駅ひたちおおた(茨城県)での実験で使用された車両

ロボットが案内役に

施設案内や観光案内をロボットが行う道の駅も増えている。働き手不足を解消するためにロボットが活躍する時代も遠くなさそうだ。

道の駅但馬のまほろば(兵庫県)で活躍中 「まほろばPepper(ペッパー)くん」

高速道路からの一時退出が可能に

ETC2.0搭載車を対象に、一部の道の駅への高速道路からの一時退出が可能になる「賢い料金」を実施。一定時間は乗り直しに追加料金がかからない。

関越自動車道上にある 道の駅玉村宿(群馬県)の案内板

地域の「小さな拠点」になる道の駅

岡山県新見市では、道の駅鯉が窪を中心に、診療所・図書館・認定こども園・行政窓口などを集約し、ワンストップサービスを実現。「小さな拠点」を形成している。道の駅を中心にデマンドバス等の運行や宅配・安否確認サービスの実施など高齢者に優しいサービスも提供。

道の駅鯉が窪

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